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AC=DX(GX+SX)

皆さま、今年もいろいろ大変お世話になりました。
 今年最後のブログになりました。今年を振り返りながら、今の考えを取り留めもなく書いてみますね。

C=DX(GX+SX)
 これ、なんだと思いますか? 見たことないですよね。そうです、私のオリジナルですから。
 これは、コロナパンデミックになってからいろいろ勉強して、私なりに考えついた、未来の方程式です。
 ACはアフターコロナの略、DXは言わずと知れたデジタルトランスフォーメーション、GXはグリーントランスフォーメーション、SXはサスティナビリティトランスフォーメーション、です。
 つまり、アフターコロナへの生き残りは、環境に配慮した持続可能な在り方へデジタルIT技術を使って事業を変革することで可能になる、という意味です。

 アフターコロナはデジタルトランスフォーメーション、とはあちらこちらで言われています。もはや異論はないと思います。
 ただ、デジタルやITは、ツール、すなわち「お道具」にすぎません。何をどうデジタル化するのか、もさりながら、そもそも何のためにデジタル化するのか、デジタル化して何がしたいのか、こそが肝要と思います。

 コロナパンデミックになって読んだ「サピエンス全史」のユヴァル・ノア・ハラリ氏によると、人類(ホモサピエンス)の歴史は、「統合」の方向に向かっているのだそうです。
 そう言われると私には、SDGsはまさしくそうだなぁと思えます。
 私なりに理解したSDGsを、私なりに判りやすく言いかえると、「いつどこで生まれても、自分の人生を自分で決められる社会」、という感じです。今はまだ、アメリカに生まれた子、アフガニスタンに生まれた子、南アフリカに生まれた子・・・、どこの国に生まれたかで、人生の自由の幅が全然違います。同じアメリカでも、人種、親の職業、性、などで格差があります。言うまでもなく、いつどこに、どの親のもとに生まれるか、選べる自由は誰にもありません。こういう不自由を未来の子供から全部なくそう、というのがSDGs、今を生きる私たちの目標、ということだと思います。こう考えると、17の目標が具体的に理解、実感できると思います。

 そして今や、人類社会の中だけの問題、人間同士の紛争や格差、さえ解決できれば十分、というわけではありません。
 そうです、地球環境の危機です。人類社会の存続基盤そのものが失われるかもしれない危機に、ホモサピエンスは直面しています。それも他ならぬ自分自身のせいで。

 方程式の()の中で、SXよりGXを前に置いたのは、そういう理由からです。地球環境保全は人類社会のサスティナビリティ(持続可能性)の大前提といえます。
 「何のためにデジタル化するのか」を考える際、自社事業のグリーン化、から考えてみてください。
 DXって言っても何をどうして良いものやら、という方は、自社事業のグリーン化、を視座に据えると、考えを整理しやすくなると思います。

 私(当事務所)の場合、こう考えてみました。
 先ず、弁護士という仕事の存在意義、社会的必要性はあるのか、それは何なのか?
 次に、あまたの弁護士、法律事務所のなかで、私と当事務所の存在意義、社会的必要はあるのか、何なのか?

 そして、弁護士業を地球環境への負荷という観点で見た場合、どうなのか?
 どうすれば負荷が高くて、どうすれば負荷が低いのか?
 実は、ここがすっごく難しいところでした。
 環境裁判にも取り組んできましたが、環境裁判はほぼボランティアなので、事務所経営としては持続可能性がありません。
 事務所の環境負荷といっても、小さい事務所なのでちっちゃい話にしかならず、そもそも弁護士業としての意味がなくなってしまいます。
 ずいぶん考えましたが、結局、弁護士業もお客様に支えられているのだということが判りました。

 そして、この先の社会のあるべき変化を前提にして、以上で考えた、弁護士業の社会的意義、当事務所の社会的意義、は未来の社会でも必要とされ続けるのか?
 社会の在るべき変化に合わせて、変わるべき、変えるべき、ものやこと、変わらない、変えてはいけない、ものやこと、は何なのか?

 未来社会の予想や在るべき姿は、ただ思い描くだけではダメで、やはりちゃんと勉強する必要があります。正確な事実と賢い人の考えを知識としてたくさん集めて、自分でもいろいろ考えてみることだと思います。

 そうして私なりに考えてみて、今、見えているほぼ確実な未来は、
〇脱炭素化(化石燃料から再生可能エネルギーへの大転換)
〇地下資源依存から地上資源利用への移行(原料素材の大転換)
〇都市と地方の逆転(都市と地方という概念が無くなるかも)
〇経済の地域循環とグローバル化の両立
〇人間社会における個の尊重と多様性(寛容)の両立

 こうして世界はフラットに統合されていき、いつどこに生まれようとも、ひとは、両親と社会と自然環境に愛情深く豊かに育てられ、自身の努力次第で才能を無限に開花できる、そんな社会になれば理想だと思います。

 今年一年、皆さまには本当にお世話になりました。
 来年こそ、コロナパンデミック終息の目途が立てば良いと思います。
 オンラインでいつでも繋がれるようにはなりましたが、むしろ、直にお会いできる機会がいかに貴重なものだったかも思い知らされました。
 新しい年もまた、よろしくご厚誼いただけますようお願い致します。

 皆さまにも良い年になりますようお祈り申し上げます。