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育児・介護休業法が改正されました

 今月9日、育児介護休業法(主に育児休業制度)が改正され、公布されました。
 主な改正点は、次のとおりです。

〇現行の育休制度に加え、子の出生後8週間(産休期間)以内に4週間までの育児休業を新設
・原則として休業の2週間前までに申し出ればよく(現行育休は1か月前)、分割(2回まで)取得も可能
・休業中に就労することも労使協定などの要件を満たせば可能です。
・令和4年12月9日までの政令で定める日から施行されます。
⇒これによってパパは、産休中に2回、ママ育休中も含めて2回、の都合4回までの取得が可能になります。

〇育休を取得しやすい雇用環境の整備、とともに個別の妊娠・出産者にも制度周知・意向確認の措置が義務付けられました。
・令和4年4月1日から施行されます。
・雇用環境整備の具体的内容は、施行までに複数の選択肢が示されてそこから選択し て措置することになります。 
・個別の妊娠・出産の申出者に対する周知や意向確認の具体的内容も、施行までに省令で複数の選択肢が示されてそこから選択することになります。
⇒「社長、僕、子供できました」と言われたら、「そうかぁ、おめでとう!」だけで終わってはいけません。
 さらに、休業取得を委縮させるような言動(例えば「奥さん専業主婦だよね」とか「キャリアやチャンスどうする?」とか)はNGですよ。

〇今までの育児休業は分割取得不可でしたが、2回まで分割取得できるようになります
・1歳以降に延長する場合に、育休開始日を柔軟に設定できるようになります。
・令和4年12月9日までの政令で定める日から施行されます。

〇有期雇用労働者の育児・介護休業取得の要件であった「引き続き雇用された期間が1年以上」が撤廃されます。
・令和4年4月1日から施行されます。

〇従業員数1000人超の企業は、育児休業取得状況を公表しなければなりません。
令和5年4月1日から施行されます。

詳しくは、厚労省のサイト↓で確認してくださいね。
育児・介護休業法について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

厚労省サイトの↓も面白そう、会社で活用できそうな資料がありますよ。
育てる男が、家族を変える。社会が動く。イクメンプロジェクト (mhlw.go.jp)

 人間の出産が難産なのも、赤ちゃんが産声を上げるのも、野生動物なら致命的な現象(その間に食べられちゃう)なのだそうです。にもかかわらず人間(ホモサピエンス)がこうした出産をする理由は、「子育ては社会的にする」ことで進化する方法を選んだからなのだそうです。
 人間の女性が生殖能力を喪失した後も長生きするのは、孫の世代の子育てを手伝うためという説もあるそうです。
 いずれにしても母親一人が子育てをする現状は、人間(ホモサピエンス)の進化の方向にそぐわない、異常で不自然なことと言えそうです。
 だから少なくとも、夫や配偶者が育休をより取りやすくすることは、どんどん進めていってほしいです。
 先に紹介した厚労省サイトに、育休取得率のグラフが2つ並んでいるのですが、これは男性の取得率が低すぎて(女性の10分の1以下)同じグラフで比べられないからのようです。また、子の出生前後の男性の休暇の取得状況調査では、制度(配偶者出産休暇制度など)、取組み(職場での広報や説明会や声掛けなど)、上司(男性の育児や残業削減に努力や理解)、のうち2つ以上がそろっている職場では取得率が高いことを紹介しています。

 現代の都市の社会は、人間の歴史的に見ても子育てしにくい状況と言えるかもしれません。
 私自身はいわゆる里帰り出産にしましたが、すでに母親が子育てした時代とは、育児の理論も道具も生活環境もまるで違っていて(布オムツの折り方まで違うのにビックリ!)、自分の母親に手伝ってもらえる条件があっても何かと不安な日々でした。 
 特に第1子は、すべてが初めての経験なので、いつ頃何がどうなるのかまったく「予定」が立たず(いつ夜間の授乳が終わるのか、いつ首が座るのか、いつハイハイしだすのか、などなどキリがありません、そもそも赤ちゃんに「予定」なんてものはないですよね)、予備知識もほとんど役に立たない、人生初めての経験の連続でした。
 ちょっと心配なのは、これに同じく初めての「パパ」が加わっても、予備知識も主体者意識も責任も「ママ」にはかなわない「予備戦力」ですよね。「大きな子供が増えただけ」になるおそれは十分にあります。


 少子化に歯止めがかからない今こそ、子育てを夫婦協働作業にするのは当然として、社会全体で子育て支援するような日本になったら良いなと思います。

子どもってかわいい!