災害関連法制
一昨年(2024)の能登半島地震、先月(2026年7月)の熊本地震、先日の千葉豪雨、で被災された皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。
阪神淡路大震災(平成7年(1995年)兵庫県南部地震)以降、日本列島の地震活動が活発化したと言われますが、さらに、気候変動による気象災害の激甚化・頻発化も加わって、いつどこで誰が(もちろん私も)被災してもおかしくありません。
現に被災された方にも役立つかもしれないと思い、発災直後からの支援策の観点から、基本的な災害関連法制をまとめてみました。
災害対策基本法
1961年(昭和36年)に、伊勢湾台風(1959年9月)の被害を受けて、制定されました。災害対策の基本法として、防災組織、防災計画、災害予防、災害応急対策(被災者保護を含む)、災害復旧、被災者援護措置、など、基本的枠組みを示しています。
重要なのは「罹災証明書の交付」で、同法90条の2にあります。罹災証明書は、支援を受けるための出発点ともいえる重要な書類です。被災者の申請によって市町村が被害状況を調査して交付する、と規定されていますが、発災直後、片づけされる前に、ご自身で写真撮影して、「証拠保全」することが推奨されています。
「住まいが被害を受けたときに受けたときに最初にすること」0705_shashin.pdf (保護)
恐怖と悲嘆でそれどころではないと思います(私自身も自信ありません)が、写真撮影による証拠保全は、住居に限らず必要です。事業資産などについても、保険金請求などに有用ですから、同様に写真撮影で証拠保全しておいてください。もちろん、避難優先、ご自身の安全確保を優先しながらです。
なお、罹災証明書の判定内容に不服がある場合は、各市町村で再調査・二次調査の制度を設けています(期限や手続は各市町村で異なります)ので、あきらめないでください。
災害救助法
1947年(昭和22年)に、南海地震(1946年12月)を契機として、国が、地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行うことなどを目的として、制定されました。
救助対象は、政令で定める程度の災害が発生した市町村の区域内で、被害を受け、現に救助を必要とする方々です。
救助の内容は、避難所及び応急仮設住宅の供与、炊き出しその他による食品の給与及び飲料水の供給、被服や寝具などの生活必需品の給与や貸与、医療及び助産、被災者救出、福祉サービスの提供、被災住宅の応急修理、生業に必要な資金、器具または資料の給与や貸与、学用品の給与、などです。
被災者生活再建支援法
1998年(平成10年)に、阪神・淡路大震災での教訓をもとに、制定されました。被災された方々に、都道府県が生活再建支援金を支給することが主な目的です。支援金は、都道府県が拠出して生活再建支援法人が管理運用する基金から支給されます。
支援金は、政令で定める自然災害により被害を受けた世帯に対し、世帯主の申請により、最大(基礎+加算)300万円が支給されます。支援金の額は、基本的に、罹災証明書の判定内容に基づいて判断されます。
激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(激甚災害法)
1962年(昭和37年)に、制定されました。災害対策基本法に規定する、著しく激甚である災害が発生した場合、に、国が地方公共団体に対して、特別の財政援助又は被災者に対する特別の助成措置を講じるための法律です。
激甚災害は、「国民経済に著しい影響を及ぼし、かつ、当該災害による地方財政の負担を緩和し、又は被災者に対する特別の助成を行なうことが特に必要と認められる災害」が発生した場合に、中央防災会議の意見を聴いた上で、その災害を激甚災害として指定するとともに、当該激甚災害に対し適用すべき措置が併せて指定されます。
激甚災害に指定されると、地方公共団体の行う災害復旧事業等への国庫補助のかさ上げなど、特別の財政助成措置が講じられます。
中小企業経営に関するものとしては、第四章「中小企業に関する特別の助成」に、中小企業信用保険法による災害関係保証の特例(同法第12条)などがあります。また、雇用保険法による求職者給付の支給に関する特例(第25条)として、激甚災害指定地域の適用事業所が災害により休止等した場合で、労働者が休業して就労できず、賃金を受けられない場合に、その者を雇用保険法上「失業しているもの」とみなして、指定期日まで基本手当を支給できるという制度があります。これは、実際に離職していない場合も対象となり得ます。
以上の他にも、事業継続のための様々な制度が拡充されてきています。
日頃から、事業継続計画(BCP)の策定をはじめ、できる限りの備えをしつつも、万一の場合でも、「絶対に事業は継続できる」と信じて、情報収集に努め、可能な限りの支援を得るようにしてください。
最近は行政も、いち早く、かつ、リアルタイムで、特設サイトを設けたり、メルマガなどでも、支援策や助成措置の周知に努めています。

