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事業継続力強化計画認定 3年更新

 近年、台風や豪雨、地震などの自然災害が頻発するようになり、年々、激甚化し、被害額も増加しています。

 BCP(Business Continuity Plan,事業継続計画)もよく聞くようになりました。
 ただ、従業員規模別にみると、規模の小さい企業ほど、意識も関心も低いと指摘されています。
 少し古い調査ですが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの、中小企業の災害対応に関する調査(2018年12月)によると、従業員20人以下では、「BCPを知らない」56.3%、「BCPは知っているが、策定していない」41.5%、だったそうです。
 コロナ禍もあり、この間に中小企業にも急速に浸透、普及しているかもしれません。

 中小企業でBCPを策定するなら、先ずは、経済産業省による事業継続力強化計画認定制度をお勧めします。

中小企業庁:事業継続力強化計画 (meti.go.jp)

 当事務所も、昨年5月に申請して、6月25日付で認定をもらいました。
 手引きもろくに読まずに申請したので、ボロボロ、何度もダメだしされました(だって、当時の手引きはトーマツ作成で75頁もあったんだもん)。でも意外にも、近畿経産局の担当者の方は、何度も何度もとっても丁寧なメールで、手引きの該当箇所も引用しながら、「ここを見て、こんなふうに書いてくださいね」と、認定がもらえる程度になるまで、粘り強く、指導してくださいました。ちょっと感激!ウルウルでした。

 この分厚い手引きはやはり不評だったのか、現在の、令和4年6月27日版は24頁でスッキリまとまり、とっても読みやすくなっています。以前あきらめた方も、再挑戦してみてくださいね。
 その手引きの内容から、簡単にご紹介しますね。
 これはこの認定制度に限らず、BCP策定一般に役立つ内容です。

 大まかな策定の手順は、5つの検討ステップで行います。

STEP1 目的すなわち「何のために」「何(だれ)を守るのか」を考えます。

STEP2 リスクすなわち「自社はどんな災害に弱くて何を失いそうか」を予想します。

STEP3 初動対応すなわち発災直後、1時間以内、12時間以内、にやるべきことを決めます。

STEP4 STEP2で予想したリスクに対して、ヒト、モノ、カネ、情報、の対策を考えます。

STEP5 平時からの推進体制を決めます。

 なお、自然災害のみならず、感染症対策も必須になっています。

 この「事業継続力強化計画認定」のメリットは、認定を受けた事業者に対する支援策が用意されていることです。次のような支援策があります。

 ・防災・減災設備導入に対する税制優遇
 ・低利融資、信用枠拡大等の金融支援
 ・補助金(ものづくり補助金等)採択時の加点措置
 ・認定事業者によるロゴマーク使用

では、手引きの内容から、策定の手順を見ていきましょう。  

STEP1 目的
 サプライチェーンや地域経済における役割や影響が必須の視点、記載事項とされています。
 貴社の社会的存在意義は?と抽象的に聞かれるよりドキッとします。少し勇気を出して、お客さんの顔を思い出して頑張って書きましょう。

STEP2 リスク
 ハザードマップを見たことない方もまだまだ多いかもしれません。
 ここ数年でどんどん進化しています。ぜひ一度クリックして、自社と自宅を調べてみてください。

ハザードマップポータルサイト (gsi.go.jp)
川の防災情報 – 国土交通省 (river.go.jp)
J-SHIS 地震ハザードステーション (bosai.go.jp)

 これら科学的客観的情報をもとに、最も大きな被害が想定される自然災害を対象に、ヒト、モノ、カネ、情報、の観点から自社事業に与える影響を想定してみてください。
 被害=事象×脆弱性、ですが、手引きには事象リストや脆弱性リストも掲載されています。

STEP3 初動対応
 発災直後の人命(従業員、顧客)の安全確保、発災後1時間以内に非常時緊急体制の構築、発災後12時間以内に被害状況の把握と被害情報の共有、として、必ずやるべきこと、その具体的方策例、がまとめられていて、チェックリストとしても活用でき、とても参考になります。

STEP4 対策及び取組
 ヒト(申請書A欄)、モノ(同B欄)、カネ(同C欄)、情報(同D欄)、の各側面ごとに、具体的対策事例が記載されていて、どんな取組や対策がありうるのか考えたりチェックしたりするのにとても参考になります。
 特に、モノ、カネ、については、この計画認定制度のメリットである、税制優遇や金融支援、その他の支援策を受けるための記載の注意点なども具体的に書かれているので、中小企業にも判りやすいと思います。

STEP5 平時からの取組み
 平時からの取組みとはどんなことをすればよいのか、具体的に書かれています。

 最後に、私もうっかりしていたのが「実施期間」です。
 3年以内の取組として申請しているので、計画認定も3年以内ということになります。
 すでに認定を受けてるよという方も、3年以内には見直して、実施状況報告書を添付して2回目の申請をして、認定を継続する必要があります。

 ウチもBCP作らなきゃな~って思いながら、でもどうしたらいいのかわからないって思ってた方、経産省・中小企業庁の「事業継続力強化計画認定制度」にトライしてみてくださいね。